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2025.12.07
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11月16日、国際ハープフェスティバル2025-草加市のメインコンサートが開催されました。

メインコンサートは14:00から、松尾芭蕉の『おくのほそ道』ゆかりの松並木を臨む、草加市文化会館ホールにて行われました。音楽都市宣言を唱えた草加市では、音楽を身近に感じ、誰もが文化芸術を気軽に楽しめるまちづくりを目指しています。

37回目となるこの「国際ハープフェスティバル2025-草加市」のメインコンサートでは、ジャズハープ界のレジェンド パーク・スティックニー、箏曲界の新星 LEO、日本を代表するハーピスト 山宮るり子をお招きし珠玉の演奏をお送りしました。

また、草加市レバーハープ・アンサンブル、公募で集まった40名を超えるプロ・アマ混成ハーピストとLEOとの大合奏など、ここでしか聴けないプログラムもお届けしました。

[司会・通訳] 新井コルチ薫

草加市レバーハープ・アンサンブル

[指揮・指導]鷺谷清子
[グランドハープ]田中淳子
[レバーハープ]草加市レバーハープ・サークルの17名

E.エルガー(K.鷺谷編曲)愛の挨拶
P.チャイコフスキー(L.ウッド・ローロ/K.鷺谷)バレエ組曲「くるみ割り人形」

メインコンサートのオープニングを飾ったのは、1990年からこの国際ハープフェスティバルの出演を重ねる
草加市レバーハープ・アンサンブルです。普段は個々に活動している複数のレバーハープ・サークルのメンバーがフェスティバルの時期に一堂に会して、息の合った演奏を披露してくださいました。バレエ組曲「くるみ割り人形」の「花のワルツ」では、グランドハープの華やかな演奏がフェスティバルの雰囲気を沸き立たせ、お客様の期待を膨らませます。

ハープソロ

[ハープ]山宮るり子

F.リスト(H.ルミエ編曲)夜鳴きうぐいす
M.ムチェデロフ パガニーニの主題による変奏曲

続いては、日本を代表するソリストのひとり山宮るり子の登場です。森閑とした中に小鳥のさえずりが聞こえたかと思うと、お客様はステージのハーピストに釘付けになり、曲の世界へ引き摺り込まれました。また、「パガニーニの主題による変奏曲」では、ハープのダイナミックなところ、繊細なところ、可能性と多様性を余すところなく満喫させていただきました。

箏 独奏

[箏] LEO

宮城道雄 手事
坂本龍一 andata
今野玲央 松風

ステージには、一般的な13弦の箏と、25弦の箏が並べられていました。伝統的な13弦の箏は5音階ですが、とてもふくよかな音色が響き、邦楽の特性をよく引き出してくれます。また、25弦の箏はドレミの音階に調弦され、古典楽器でありながら洋楽や現代曲にも自然に馴染んでいるように聴こえました。お客様は箏の魅力を創出するLEOの演奏を聴き、箏の可能性を大いに広げられたのではないでしょうか。


タッチ・ザ・ハープ

休憩時間ロビーでは、レバーハープアンサンブル アルペジオによる「タッチ・ザ・ハープ」のコーナーが設けられ、お子様から大人まで、初めてハープに触れる体験をお楽しみいただきました。

ハープソロ

[エレクトリックハープ]パーク・スティックニー

P.デスモンド テイク・ファイブ
日本古謡 さくらさくら
P.スティックニー キュービック・ルーブ
F.マーキュリー ボヘミアン・ラプソディー

ブルーの共鳴板のエレクトリックハープと、ハットを被ったパーク・スティックニーが登場。従来のハープという楽器とハーピストのイメージを一掃するかのような出立で、これまた先入観を覆す演奏に、瞬時に会場のお客様はパーク・スティックニーの虜に。左手でルービックキューブを操りながら、右手で自身作曲の「キュービック・ルーブ」を演奏するという離れ技も披露してくれました。「かっこよくなりたい」から始めた遊びが今ではエキスパートに。アルゴリズムの追求はパークの音楽への情熱とリンクしているかのようです。

スペシャル・コラボレーション

[エレクトリックハープ]パーク・スティックニー
[箏]LEO

坂本龍一 戦場のメリークリスマス
今野玲央 Rays of Light

次は、伝統楽器の箏と現代的なエレクトリックハープの共演です。おふたりの共演は初めてですが、昔からの相棒のように絶妙な掛け合いが繰り広げられました。幅広いジャンルの音楽やアーティストに触れ、親和性を高めるふたりの音楽は、ライブハウスで即興のセッションを聴いているかのようでした。

パークと弾こう!!!ザ・ピンクパンサー・ハープアンサンブル

[エレクトリックハープ]パーク・スティックニー
[箏]LEO
[ハープ]ザ・ピンクパンサー・ハープアンサンブル42名

H.マンシーニ(P.スティックニー編曲) ピンクパンサーのテーマ

フィナーレは、ここまでのソリストと、公募で集まった7歳から70歳代のプロ・アマ混成のハーピストによる「ピンクパンサーのテーマ」の大合奏です。ステージには箏のほかに大小さまざまな43台のハープと、ピンク色の物を身につけた奏者が登場。パークのリクエストで会場のお客様もフィンガー・クリップで曲を盛り上げます。金管楽器で演奏されることの多い楽曲ですが、箏とハープという一味違ったピンクパンサーの世界をお届けしました。みなさまは、どのように警部と怪盗の顛末をご想像いただけましたでしょうか。


ハープは弦が縦に、箏は弦が横に張られています。ハープが奏でる音と箏が奏でる音のバランスによってハーモニーが作られるというところが、縦糸(経糸)と横糸(緯糸)の紡ぎ方によって、生地の柄や特性が変わってくる織物を連想させられました。

パークから日本語で会場のみなさまへメッセージがありました。「草加は33年ぶりです。次回は2058年に来ます。みなさん、スケジュール表に書いておいてください」。みなさま、どうぞ記入をお忘れなく!

多くの方々にご来場いただきましてありがとうございました。ハープの多彩な魅力や箏とのコラボレーションの新発見を存分にお楽しみいただけたでしょうか。

フェスティバル開催にあたり、多くの関係者にご尽力を賜りましたことに深く感謝申し上げます。

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