メインコンサートは両日とも15時から草加市文化会館にて行われました。35回目となるこの国際ハープフェスティバル、今回は草加市音楽都市宣言30周年とも重なり、草加市民をはじめ近隣地域にも恒例の音楽イベントとして浸透し、大勢の老若男女のお客様をお迎えすることができました。
建物に入るとロビーでは、メインコンサートのプロローグを思わせる大竹香織さんによるハープ演奏が行われ、開幕までお客様をワクワクさせます。また、日本ハープ協会のTシャツやキーホルダー、音楽CDなどの販売も行われ、多くの方々にお買い上げいただきました。
メインコンサート一日目
第一日目は、レバーハープのアンサンブル、TRIO TYD とハープの共演、30周年記念ウィンドオーケストラによる演奏でした。
[出演]草加市レバーハープ・アンサンブル 鷺谷清子(指揮)
TRIO TYD
テナーサックス 仲田 守
バリトンサックス 栃尾克樹
バンドネオン、ピアノ 啼鵬
共演ハープ 福井麻衣、仲田萌
30周年記念ウィンドオーケストラ
指揮 さかはし矢波
ハープ 井上美江子、奥田恭子
最初は、J.シュトラウスIIやW.A.モーツァルトのレバーハープ演奏で聴衆はヨーロッパへと誘われました。
次はピアソラのリズミカルな曲で一路南米へ、サンバやタンゴのノリで会場は大盛り上がりです。プログラムになかったテナーサックスの仲田さんの娘さんも加わり、思いがけず親子共演も実現できました。
そして、草加市音楽都市宣言30周年を記念して結成されたウィンドオーケストラによる演奏で更にフェスティバル会場が盛り上がります。
国際ハープフェスティバル35周年を記念して久木山直氏に委嘱、作曲された2台のハープ協奏曲
「La Sfolgorante Luce Di Due Stelle Rosse 邦題:2つの赤い星の輝く光」が世界初演されました。2台のハープが2つの赤い星となり、時にはそれぞれに瞬き、時には光が干渉して新しい波形が生まれるように新しいハーモニーが展開します。やがてオーケストラとひとつになり、さらに明るいひとつの新星が誕生したかのようです。久木山氏が「再生への希望、幸福な時間を味わっていただければ幸いです」とおっしゃっているように、明るい新星が生まれる瞬間に立ち会えた興奮に会場は幸福感に包まれました。
メインコンサート二日目
第二日目は、スペシャルゲストとしてアレクサンダー・ボルダチョフとCocomiをお迎えして華やかなステージが披露されました。
[出演]ハープ・指揮 アレクサンダー・ボルダチョフ
フルート Cocomi
ハープ 草加-日本 国際ハープコンクール(旧称:日本ハープコンクール)優勝者
南波美月姫 第34回(2022)アドバンス部門優勝、
第30回(2018)ジュニア部門優勝
後藤里緒 第32回(2020)ジュニア部門優勝
柄本舞衣子 第9回(1997)ジュニア部門、
第16回(2004)アドバンス部門優勝、
第17回プロフェッショナル部門第2位(1位なし)
景山梨乃 第18回(2006)アドバンス部門、
第12回(2000)ジュニア部門優勝、
ボルダチョフとのデュオ
国際ハープフェスティバル35周年記念ハープアンサンブル
ボルダチョフのハープソロ演奏、歴代コンクールの優勝者のハープ演奏、フルートのCocomiとハープのボルダチョフとの共演、そして、フィナーレはボルダチョフ指揮による国際ハープフェスティバル35周年記念ハープアンサンブルによる「菊の花のまつり」です。
「菊の花のまつり」は「国際ハープフェスティバル1989-草加市」のために増田宏三氏によって作曲されたこのフェスティバルのテーマソングとも言える曲で、毎年、出演のハーピストが大切に受け継いで来ています。今回はレバーハープとクリスハープが加わり、ハープの音色の多彩さをお聴きいただきました。更に、小さなハーピストたちは花の香りに誘われた妖精のような衣装を着け会場を沸かせました。
たいへん多くのお客様にお越しいただき、さまざまなハープ音楽をお楽しみいただきました。ハープ音楽の豊かさを知っていただくよい機会となったことと望んでおります。また、多くの関係者のご尽力を賜りましたことに深く感謝申し上げます。